遠方の場合は、データの作成のみをおこない実際の製作と取付などは、地元の看板業者さんがおこなうことも少なくありません。
撮影位置を計算して、その位置から見たときにユニークな写真が撮影できるというものです。
ユニークな案内表示なのですが、誘導系のトリック3Dアートは、360度あらゆる角度から同じように見える訳ではないので、誘導そのものの機能性が弱くなってしまいます。
誘導系で立体感などを打ち出したい場合は、陰影をつけるなどの工夫で矢印などを360度どこから見ても浮いているように見せることができる錯視タイプがおすすめです。
このようなタイプのものをトリックアートと呼んでいます。
トリックアート陰影タイプの描き方
長方形タイプ
四角い本体に対して、床との境目に影をずらして配置し浮いているように見せています。
床がタイル状であれば、目地も影のデザインの中に反映します。そうする事で現実世界との境目が中和され、立体感が増したトリックアートになります。
矢印タイプ①
矢印タイプ②
二重トリックアートタイプ
矢印にトリックアート処理がかかっているのに加えて、ロゴそのものにも影を足し、矢印とロゴで二重にトリックアート処理を施しています。
トリックアートシュミレーション例
シュミレーション①
影のデザインで、床がタイル状で目地がある場合、実寸で目地に合う陰影合わせを行い、よりリアリティが増すようにしています。
シュミレーション②
視点が異なる、様々な人がそれぞれの位置から見てもトリックアートが成立している事が確認出来ます。
細かいことまで申し上げるとタイルの色等に合わせて、壁の調整もおこないます。
トリックアート「矢印」の描き方
①
矢印、文字、ロゴをデザインします。パースをつけず真正面の図を書きます。
②
矢印の中心から上部に、放射状のパースを書きます。
③
任意の場所で矢印の厚みの線を引き完成させます。
④
男女のロゴマークに影をつけて浮いているように見せます。
⑤
消失点に沿って影を書きます。
⑥
トリックアートが完成しました!
マス目を作る方法です。
トリックアート「LOVE!!」の描き方
①
ペンで、A3用紙に左図の位置にボックスを書きます。
②
鉛筆でマス目を書きます。
①ボックスの四つ角から対角線を引きます。
②対角線が重なった交点を通る平行線を引きます。
③
①中央の交点を通る垂直線を引きます。
②垂直線と、三本の平行線の交点からの対角線を引きます。
③各対角線の交点からまた同じように平行線を引きます。
④
①新しい交点を縦に線引きます。
②その線と上辺と下辺の交点から対角線を引きます。
③交点を通る平行線を引きます。
⑤
①上辺を10mm 毎に区切り25 分割します。
②下辺を9mm 毎に区切り25 分割します。
③区切った点と点を直線で結びます。
⑥
マス目が完成しました。
⑦
サンプルを参考にしながら、ペンでマス目を塗りつぶして「LOVE!!」の文字を描きます。
⑧
文字のマス目の一段下に地平線を引いて、グレーの部分を切り取ります。
⑨
ボックスの右下から、右に20mm 、上に30mm 離れた位置から斜めにペンで線を引き、塗りつぶして影を作ります。
⑩
消しゴムで下書きのマス目を消します。
⑪
カメラで撮影して完成です!
透視図法を使って作るタイプです。
透視図法とは、
人間の目の特性に合わせて、二次元の紙の上で立体的に物を書く図法。人間の目は「遠くにあるものは小さく見える」という特性を基に、物の位置が遠くにあるものは小さく書けば疑似的に立体的に書く事が出来ます。小さくなっていく先は最終的に点になり、その点を「消失点」と言います。消失点から線を引けば、様々な物を立体的に書く事が出来ます。
消失点は零点 / 一点 / 二点 / 三点 の四種類あり、今回は見上げの視点を使うので、上から下へパースが付く三点透視図法を用いています。
トリックアート浮いて見える「HELLO」の描き方
①消失点を決める
・サイズ A3普通紙
・透視図法
三点透視図法を採用しています。二点は紙の右端、左端と、上から30 ㎜との交点に取ります。もう一点は画面より下に配置し奥行きのある立体が作れるようにしています。
②文字を描く
消失点によって出来たパースに沿って文字を描き起こします。
下の影も書き込みます。
上から120 ㎜のところから水平線を引いておきます。
③上部を切り取る
水平線より上の部分、ピンク色の部分をはさみ等で切り取ります。
④撮影して完成
角度をつけて撮影すると、立体的な文字が浮いているようなトリックアートが完成します。
看板デザイン・アイデアラボが得意としているのは、カメラのレンズで撮影される単眼の撮影スポットとしてのトリック3Dアートですが、人間の目で見たときに錯視が見えるタイプのものも制作しております。