看板デザイン・アイデアラボの代表的な仕事
アイラブ歌舞伎町。
東京屋外広告コンクールで東京屋外広告協会会長賞を受賞、DSA 日本空間デザイン賞2015に入賞しました。
「アイラブ歌舞伎町」のランドマークサインは、新宿の街の混沌とした世界観を表現!
日本を代表する繁華街で、世界的にも有名な新宿歌舞伎町。2015年4月24日に新宿東宝ビルが全面オープンし、街を訪れる人が増えています。現在の歌舞伎町は、行政や地元の商店街振興組合によって街の安心・安全対策が進められ、エンターテイメントシティに生まれ変わろうとしています。
歌舞伎町は、戦前・戦後の都市計画家で東京都建設局長だった石川栄耀(いしかわ ひであき 1893-1955)が、戦後に健全な盛り場の発展を目指し、景観の封閉を主眼とした設計を指導しました。景観の封閉とはあえて見通しの良い交差点などを作らないことで、周囲のどこを見ても盛り場にいる感覚を作り出す手法。そのため歌舞伎町はT 字路の街路がベースとなっています。
「アイラブ歌舞伎町」のサインは石川栄耀の思想をオマージュし、景観が街に閉じ込められた歌舞伎町において絶好のロケーションポイントといえるT字路突き当たりの壁面に設置。都市にノイズを注入するイメージをコンセプトに、歌舞伎町の猥雑でエネルギッシュなイメージを想起させる赤色の砲弾型LEDを用いて、点滅による演出も取り入れました。
また現代社会は、ソーシャルメディア全盛の時代である。「アイラブ歌舞伎町」は歌舞伎町の新たなランドマークとしてスマホで撮影されることを意識し、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアで日本中、世界中に拡散させることも念頭に企画・設計しています。
そして今では、多くの来街者がこのサインを写真に収めている姿が見られ、ソーシャルメディアを通じて、歌舞伎町を象徴するサインとして世界中で認知を広めつつあります。
このように「アイラブ歌舞伎町」のランドマークサインは歌舞伎町の混沌とした世界観を表現しながら、従来のサインの概念を超え、ソーシャルメディア時代における新たなサインのあり方を示した作品です。
アイラブ歌舞伎町の看板、公益社団法人東京屋外広告協会会長賞の受賞に続き、DSA 日本空間デザイン賞2015のD部門ショーウインドウ&ヴィジュアルデザイン空間の分野で、入賞・入選しました。
平成31年2月3日追記。
その後のアイラブ歌舞伎町。
このアイラブ歌舞伎町は、時間が経てば経つほどランドマークとしての輝きが増していると思います。
テレビドラマの撮影舞台になったり、有名ミュージシャンのライブステージで使われたり、歌舞伎町のニュースが流れる時に、歌舞伎町を代表するシンボルとして使われたり、歌舞伎町を代表するランドマークになりました。
歌舞伎町の街そのものは、周囲のどこを見ても盛り場にいる感覚を作り出すと言われた歌舞伎町独自の景観の景観の封閉は壊れました。
石川栄耀が今の歌舞伎町を見たら、どう思うでしょうか。
「社会に対する愛情、これを都市計画という」
この名言を持つ、石川栄耀の広告かぞえ唄。
一つとせ 広い東京の美しさ、広告なければタダの町
二つとせ 不思議に繁昌するお店、それは広告するお店
三つとせ 見事上がったアドバルン、冨士が見えます日本晴
四つとせ 嫁にやるまい広告屋、色で苦労をする男
五つとせ いつもこの道通りゃんせ、ネオンサインの人通り
六つとせ ムリなスポンサ審査員、気持ち解るか此れ女房
七つとせ なぜ此の道捨てらりょう、うれしがられてたよられて
八つとせ やがて日本の広告が、花のパリを飾ります
九つとせ ここが度胸のきめ所、広告一代名は末代
十とせ 共にスクラム組みましょう、みんなうれしい友ばかり
ランドマークサインとなった看板は、街の活力として、この街に貢献しています。
石川栄耀がこのアイラブ歌舞伎町を見たら、なんと言ってくれただろうか?
そんなことに想いを馳せたり。
そして、この巨大看板は、看板デザイン・アイデアラボの代表作になりました。
ご尽力をいただいたすべての協力者に感謝です。
このアイラブ歌舞伎町は、文字の全長19 メートル。
ハートの大きさが2.5 メートルの点滅する巨大看板です。